#088 旧室という人のこと

宝暦の頃まで俳諧の宗匠をしていた旧室(※奇行で有名。天狗坊とも号した)という人は、並はずれて背の高い異相の持ち主であり、数々の逸話を残している。欲心は少しもなく、わずかばかりの衣服もその場の盛り上がりによっては脱いで人に与えることなどもたびたびであった。 “#088 旧室という人のこと” の続きを読む

#082 雷を嫌うものではないということ

長崎の代官を勤めた高木作右衛門の祖父はその辺りの長を勤める身であったが、雷を何よりも嫌っていた。雷のときのために穴を掘って部屋をこしらえ、さらに横穴を掘って石槨(※石の棺)を置き、雷が鳴るとこの石槨に身を置いてしのいでいた。 “#082 雷を嫌うものではないということ” の続きを読む

#080 人の運はわからないものであること(2)

天明三年卯の年(※1783)、浅間山が噴火した。上州(※群馬)、武州(※東京・埼玉)の甘楽郡・碓氷郡・緑野郡・片岡郡辺りには焼けた砂が一尺から三尺にも降り積もり、田畑・堀・川を埋め尽くした。浅間に近い軽井沢などには火のまま降ったため家も焼け、恐ろしいことこのうえなかった。 “#080 人の運はわからないものであること(2)” の続きを読む