#072 沢庵の壁書のこと

沢庵禅師の書いた壁書を山村信州殿が所持されておられたので、写させていただいた。

飯は何のために喰うものか。腹が減るからやむを得ずに喰うものか。腹が減らずば喰わずに済むものを、うまい添え物がなければ飯など喰えぬと人のいうのは大きな間違い。ただ腹が減ったから喰うに過ぎぬ。添え物なければ飯が食えぬなどという人は飢えを知らぬ。飢えなければ一生喰う必要などありはせぬ。ひとたび飢えれば、たとえ糠味噌だろうとも喜んで喰う。飯であればいうまでもない。なぜ添え物がいるなどというのか。

食を受くること、薬を服する如くせよと仏も遺教しておられる。衣類もまた同様。人は衣食住の三つに一生を苦しむ。だが、このことを知っているが故に我は三苦が薄い。

こんなものは落書きに過ぎない。錬金法印が書けというので書いたまで。

元和の酉の冬に  宗彭

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